AutoCADの縮尺変更倍率を計算する
縮尺変更倍率は、同じ実物の表現長さがどれだけ変わるかを示します。SCALEへ入力する前に、縮尺済み形状を変えるのか、実寸モデルの紙面表示だけを変えるのかを区別してください。
公開日:
基本概念
Drawing Scale 1:n
単位が同じなら1:nは図面の1が実物のnを示します。1:1は同じ長さ、1:10・1:50・1:100では同じ実物が紙面上で順に小さくなります。縮尺の分母そのものが拡大倍率ではありません。
旧縮尺から新縮尺へ
同じ実物、同じ表現単位では、長さ倍率は旧分母/新分母です。1:100から1:50にすると表現長さは2倍、逆なら半分になります。
Model SpaceとPaper Space
AutoCADモデルは通常、選択したモデル単位で実寸作図します。LayoutとViewportはPaper Space上に縮尺表示を作ります。ビューポート縮尺の変更とSCALEによるモデル形状変更は別です。印刷表現だけを変えるために正しい実寸モデルを拡大しないでください。
単位・注釈・Plotの確認
モデルの1単位はmm、m、ほかの長さを表す場合があります。単位換算と縮尺変更は別の処理です。変更後は寸法スタイル、注釈オブジェクト、線種、ビューポート、PDFの用紙合わせ印刷も確認します。
基本の計算式
Scale 1:n → Lreal = Ldrawing × n Ldrawing = Lreal / n Factor = nold / nnew If units differ: Factor × unit conversion factor
- nold・nnew:旧・新の1:n縮尺における無次元分母。
- Ldrawing・Lreal:互換性のある単位の図面長さ・実長さ。Factorは無次元の長さ倍率です。
- 単位が異なる場合はnold/nnewに加えて適切な長さ換算倍率を適用します。
計算例
1:100で紙面50 mmは実物5 mです。同じ対象は1:50で100 mmになるため、表現倍率は2です。
1:100 → 1:50: Factor = 100 / 50 = 2 50 mm × Factor = 100 mm (paper representation) 50 mm × 100 = 5000 mm = 5 m (real length) 1:50 → 1:100: Factor = 50 / 100 = 0.5
縮尺変更ツールへ旧100、新50を入力すると2です。図面縮尺ツールでも50 mm × 100 = 5,000 mmの関係を確認できます。
モデルに実際の5 m形状があるなら維持し、適切なビューポート・出力表現を調整します。無条件にモデルへSCALE 2を適用しないでください。
実務での使い方
取り込んだ形状や縮尺済みオブジェクトでは、既知寸法で現在の状態を確認し、元と先の単位を揃えて倍率を計算します。形状変更前に図面のコピーを保存してください。
出力を変える場合はLayout、Viewport、Plotを確認します。最終PDFや印刷物で基準寸法を測り、用紙合わせが別の倍率を追加していないか確認します。
よくある間違い
- 旧/新を逆にすると、1:100→1:50で2ではなく0.5になります。
- 紙面表示のために実寸形状を変更すると、工学的な寸法が変わります。
- mとmm換算や注釈設定を見落とすと、正しい倍率でも結果が違って見える場合があります。
関連計算ツール
関連ガイド
よくある質問 FAQ
旧縮尺には1/100を入力しますか?
1:100なら分母の100を入力します。ツールは旧分母を新分母で割ります。
倍率2なら必ずモデルにSCALEを適用しますか?
いいえ。表現長さの変更を示します。実寸モデルは通常維持し、ビューポートや出力縮尺を変えます。
最終図面はどう確認しますか?
既知の基準寸法を測り、出力縮尺と単位を確認します。寸法、文字、線種は形状と別に管理される場合があるため併せて確認してください。
参考資料
工学計算の免責事項
計算と例は一般的な式と明示した前提による参考資料です。設計、施工、製造、検査、承認の前に、適用規格、プロジェクト要件、承認済みメーカー・船舶資料を確認し、必要な検証手順に従ってください。特定機関の認証や設計承認を示すものではありません。
計算結果の利用について